1926 大正15年 |
11人兄弟の10番目として福岡市で生まれる |
1932 昭和7年 |
大名尋常小学校に入学 |
1943 昭和18年 |
17歳より料理研究家江上トミ先生に師事 |
1944 昭和19年 |
戦争により料理教室中断。勤労学徒として九州飛行機で働く |
1946 昭和21年 |
江上先生が教室を再開、再び習い始め、助手となる |
1951 昭和26年 |
25歳で結婚。双子の男児を出産 |
1956 昭和31年 |
医師であった夫が他界 |
1957 昭和32年 |
再び江上先生から声がかかり江上トミ料理学院で助手として働く |
1961 昭和36年 |
西新にある兄の病院の一室で「桧山料理教室」を始める |
1964 昭和39年 |
海外17か国へ4か月におよぶ食の研修旅行へ。以降精力的に海外へ出向く |
1972 昭和47年 |
日本の気候風土に沿わない料理を教えない方針を決める |
1976 昭和51年 |
「桧山タミ料理塾」として拠点を大手門に移転 |
2017 平成29年 |
「いのち愛しむ、人生キッチン(文藝春秋)」を出版。8万部を超えるベストセラーに。 |
2019 令和元年 |
「みらいおにぎり(文藝春秋)」を出版。 |
2019 令和元年 |
11月惜しまれながら60年近く続いた桧山料理塾を閉じる |
2022 令和4年 |
大分にある山合いのログハウスに移り、念願の自然の中での暮らしを実現 |
2023 令和5年 |
「97歳料理家タミ先生の台所おさらい帖(文藝春秋)」を出版。 |
2023 令和5年 |
門下生のクラウドファンディングにより「桧山タミ台所展」が開催され1万人以上が訪れる |
97歳の料理研究家 桧山タミ台所展
令和5年5月31日から6月12日まで大丸福岡天神店で開催された【97歳の料理研究家 桧山タミ台所道具展】は、全国から各地から1万人以上の来場者が訪れました。
このイベントは、約60年にわたって桧山料理塾を主宰し、2019年に惜しまれながら幕を下ろした桧山先生の台所を移設。長年使い続けた調理道具やその生き方を紹介する催しでした。
企画したのは、門下生の田中文さん、高木尚子さん、弓削香理さんら8名ほど、もと桧山塾生のみなさん。「先生の台所を閉じる前に、タミ先生から学んできたことをたくさんの人に伝えたい」と、クラウドファンディング(CF)で資金を募って開催にこぎつけました。
桧山先生は、家庭料理を中心に、自然に逆らわず気候や風土にあった旬の食材を使うこと、食べる人のこと、家族や自分のことなどを考えながら料理と向き合う大切さを教えてこられました。
約20年にわたり指導を受けてきた田中さんが片付けを手伝っていた際、先生が20歳代の頃に書かれたレシピ、新聞や雑誌に寄せた原稿などを発見。70年以上使い続けた調理道具もたくさんあり、貴重な資料や道具を通して桧山さんのことを伝えられないだろうか――と思い立ちました。
企画を実現するため、CFサイト「CAMPFIRE」で資金集めを開始したのは、台所展開催の約4ヶ月前。1月20日から募集したところ、1週間で目標金額の600万円を超え、最終日の2月25日までに614人から970万円あまりが寄せられました。地元福岡の西部ガス株式会社をメインスポンサーに、20社ほどの企業が賛同。
CFの支援者からは「桧山料理塾の元生徒として、あの台所にまた立てるようで懐かしい」「先生のレシピの料理は今も作り続けています」「食の考え方だけではなく、先生の言葉、生き方、考え方に感銘を受けました」といった声が寄せられました。
台所展では、実際の台所や道具だけでなく、古い写真や年表を使って桧山さんの経歴などを紹介。書斎や食品保存棚を再現し、レシピノートなども展示するほか、「料理は作る人と食べる人の心と体を育む」「心を尽くした料理を食べた人は(道を)間違わない」といった先生の言葉を数多く紹介されました。
このイベントの会場の様子は動画でごらんになれます。